◯不可抗力【ふかこうりょく】 (漢検3級相当)
◎意味 広辞苑によると
①天災地変のように人の力ではどうにもすることができない力。
②法律上、外部から生じた障害で通常必要と認められる注意や予防方法を尽くしても
なお防止し得ないもの。
語の構成は「不可抗」+「力」
一般的な意味は①で、主に地震や台風などの天災の意味で使われる。それと同じように事件・事故に巻き込まれた時や本人の力ではどうしようもできない事情にも使われる。
②の意味で使うときは、天災やテロや戦争などの社会的事変を指すことが多い。そこまでいかなくとも「双方の責(せめ)に帰すことのできない事情」の言い換えとして免責事項を定める場合に使われる。
不可抗力条項とは?法律の意味や契約書の例文を紹介
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不可抗力が法律中で用いられている例は約 30 例あり、「天災その他の不可抗力」として用いられている例が多い。法令上、不可抗力の意義を定義しているものはない。(内閣府資料)
建設業法第19条 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従って、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
六 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する
定め「天災その他不可抗力」とは、台風、地震、豪雨等人力をもってしては防ぐことのできない異常な災害、その他社会通念上可能な限りの防止措置を講じても抗することのできない事故等で注文者及び請負人の双方の責に帰すことのできないものをいう。
(出典:「建設業法解説 改訂9版」 建設業法研究会編著 大成出版社 2001 年
不可抗力は免責となるのが原則であるが、例外的に不可抗力でも免責されないと規定したり、違約金や賠償額の予定を定めていることが多い。
免責されない代表例としては金銭債権(いわゆる借金)。期日までに返せなかったらどのような理由でも債務不履行となる。
民法第419条第3項 第1項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。
賃貸借のように一部免責の場合もある。
民法第609条 収益を目的とする土地の賃借人は、不可抗力によって賃料より少ない収益を得たときは、その収益の額に至るまで、賃料の減額を請求することができる。ただし、宅地の賃貸借については、この限りでない。
