百人一首 五十四番歌

【原文】

忘れじの 行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな

儀同三司母

【現代かなづかい】

わすれじの ゆくすえまでは かたければ きょうをかぎりの いのちともがな

百人一首 五十三番歌

【原文】

嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る

右大将道綱母

【現代かなづかい】

なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる

百人一首 五十二番歌

【原文】

明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな

藤原道信朝臣

【現代かなづかい】

あけぬれば くるるものとは しりながら なおうらめしき あさぼらけかな

百人一首 五十一番歌

【原文】

かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを

藤原実方朝臣

【現代かなづかい】

かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもいを

百人一首 五十番歌

【原文】

君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな

藤原義孝

【現代かなづかい】

きみがため おしからざりし いのちさえ ながくもがなと おもいけるかな

百人一首 四十九番歌

【原文】

みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ

大中臣能宣朝臣

【現代かなづかい】

みかきもり えじのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもえ

百人一首 四十五番歌

【原文】

あはれとも 言ふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな

謙徳公

【現代かなづかい】

あわれとも いうべきひとは おもおえで みのいたずらに なりぬべきかな