百人一首 六十四番歌

【原文】

朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木

権中納言定頼

【現代かなづかい】

あさぼらけ うじのかわぎり たえだえに あらわれわたる せぜのあじろぎ

百人一首 六十三番歌

【原文】

今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな

左京大夫道雅

【現代かなづかい】

いまはただ おもいたえなん とばかりを ひとづてならで いうよしもがな

百人一首 六十番歌

【原文】

大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立

小式部内侍

【現代かなづかい】

おおえやま いくののみちの とおければ まだふみもみず あまのはしだて

百人一首 五十九番歌

【原文】

やすらはで 寝なましものを さ夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな

赤染衛門

【現代かなづかい】

やすらわで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな

百人一首 五十七番歌

【原文】

めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな

紫式部

【現代かなづかい】

めぐりあいて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よわのつきかな

百人一首 五十六番歌

【原文】

あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな

和泉式部

【現代かなづかい】

あらざらん このよのほかの おもいでに いまひとたびの おうこともがな

百人一首 五十五番歌

【原文】

滝の音 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ

大納言公任

【現代かなづかい】

たきのおと たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なおきこえけれ