芋(いも)ではありません。
佇(たたず)む、でもありません。
正解は「おがせ」と読みます。
この地名のもとになった苧ヶ瀬池は、岐阜県各務原市に所在がある。
https://www.kankou-gifu.jp/spot/detail_5711.html
グーグルマップで見ると、山と山の間に池があるのが確認できる。
https://goo.gl/maps/Yn9DGeP4hikHwv5i7
すぐ近くにはげ山があるのも確認できる。こちらは標高100mほどの各務山で、昔から採石場になっている。各務原市のちょうど真ん中あたりにあるので、ランドマークとしても目立つ。
「苧」が難読のため、住所表記では「おがせ町」とひらがな表記となっている。現在、漢字表記を残しているのは、名鉄各務原線の「苧ケ瀬駅」だけ。おがせ池への最寄りは苧ヶ瀬駅だが、小さい無人駅で特に何もないため、名電各務原駅からアクセスしたほうがマシ。
https://www.meitetsu.co.jp/train/station_info/line15/
苧ヶ瀬池には、由来が諸説あって、その一つに福富新蔵という武士が富士本宮山に登った時、白髪の鬼女を弓で討ったという説がある。新蔵が逃げた鬼女の後に点々とついていた血の跡を追うと、当時、広沼と呼ばれた苧ヶ瀬池で止まっていた。そこに一束の苧(お)が落ちていた。よく見ると、苧ではなく、血の付いた白髪だったという話である。以上の話は谷川彰英『名古屋「駅名」の謎 「中部」から日本史が見えてくる』祥伝社黄金文庫より。
苧はカラムシや苧麻(ちょま)とも呼ばれ、木綿が普及するまでは庶民の衣類繊維としてよく使われていたらしい。イラクサ科カラムシ属の多年生の野草で、今では雑草の扱いだが、手頃な繊維の材料であった。
・ラミー(原料:苧麻)
繊維の太さは42~66ミクロンで、用途は衣料、寝装、資材。カラムシに代表される草本植物の繊維は、麻と呼ばれ細く柔らかいので普段着として江戸時代まで使われていた。特に綿花の栽培が普及する以前、カラムシは衣類繊維の代表であり、全国的にさかんに栽培されていた。多くの農家では簡便な機織り機を持ち、農閑期に自分たちの普段着を自家生産していた。
現代では化学繊維に押され、麻布全体でも流通量が減っており、国内では伝統産業としてわずかに越後上布、近江上布、宮古上布(沖縄)などが高級麻布を産している。
https://www.jugemusha.com/yasou-zz-karamusi.htm
ほかには竜女が由来という説もあり、八大竜王を祀る神社もある。
https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/167555
7月に花火大会もやっている。道が狭く、池の周囲の駐車場は台数が少ないので、近場の大きな駐車場に停めて10分くらい歩くのがおすすめ。
https://www.city.kakamigahara.lg.jp/event/1005356/1010019/1018024.html
