百人一首 五十番歌

【原文】

君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな

藤原義孝

【現代かなづかい】

きみがため おしからざりし いのちさえ ながくもがなと おもいけるかな

百人一首 四十九番歌

【原文】

みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ

大中臣能宣朝臣

【現代かなづかい】

みかきもり えじのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもえ

百人一首 四十五番歌

【原文】

あはれとも 言ふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな

謙徳公

【現代かなづかい】

あわれとも いうべきひとは おもおえで みのいたずらに なりぬべきかな

百人一首 四十四番歌

【原文】

逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし

中納言朝忠

【現代かなづかい】

あうことの たえてしなくは なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし

百人一首 四十一番歌

【原文】

恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか

壬生忠見

【現代かなづかい】

こいすちょう わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもいそめしか