百人一首 六十番歌

【原文】

大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立

小式部内侍

【現代かなづかい】

おおえやま いくののみちの とおければ まだふみもみず あまのはしだて

百人一首 五十九番歌

【原文】

やすらはで 寝なましものを さ夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな

赤染衛門

【現代かなづかい】

やすらわで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな

百人一首 五十七番歌

【原文】

めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな

紫式部

【現代かなづかい】

めぐりあいて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よわのつきかな

百人一首 五十六番歌

【原文】

あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな

和泉式部

【現代かなづかい】

あらざらん このよのほかの おもいでに いまひとたびの おうこともがな

百人一首 五十五番歌

【原文】

滝の音 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ

大納言公任

【現代かなづかい】

たきのおと たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なおきこえけれ

百人一首 五十四番歌

【原文】

忘れじの 行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな

儀同三司母

【現代かなづかい】

わすれじの ゆくすえまでは かたければ きょうをかぎりの いのちともがな

百人一首 五十三番歌

【原文】

嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る

右大将道綱母

【現代かなづかい】

なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる

百人一首 五十二番歌

【原文】

明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな

藤原道信朝臣

【現代かなづかい】

あけぬれば くるるものとは しりながら なおうらめしき あさぼらけかな

百人一首 五十一番歌

【原文】

かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを

藤原実方朝臣

【現代かなづかい】

かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもいを