百人一首 九十六番歌

【原文】

花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり

入道前太政大臣

【現代かなづかい】

はなさそう あらしのにわの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり

百人一首 九十五番歌

【原文】

おほけなく うき世の民に おほふかな わが立つ杣に 墨染の袖

前大僧正慈円

【現代かなづかい】

おおけなく うきよのたみに おおうかな わがたつそまに すみぞめのそで

百人一首 九十二番歌

【原文】

わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし

二条院讃岐

【現代かなづかい】

わがそでは しおひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし

百人一首 九十一番歌

【原文】

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む

後京極摂政前太政大臣

【現代かなづかい】

きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねん

百人一首 九十番歌

【原文】

見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色はかはらず

殷富門院大輔

【現代かなづかい】

みせばやな おじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかわらず

百人一首 八十九番歌

【原文】

玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする

式子内親王

【現代かなづかい】

たまのおよ たえなばたえね ながらえば しのぶることの よわりもぞする

百人一首 八十八番歌

【原文】

難波江の 葦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき

皇嘉門院別当

【現代かなづかい】

なにわえの あしのかりねの ひとよゆえ みをつくしてや こいわたるべき