百人一首 二十三番歌

【原文・歴史的仮名遣い】

月見れば ちぢに物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど

大江千里

【ひらがな表記・現代かなづかい】

つきみれば ちぢらものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど

百人一首 二十一番歌

【原文】

今来むと 言ひしばかりに 長月の 有り明けの月を 待ち出でつるかな

素性法師

【現代かなづかい】

いまこんと いいしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな

百人一首 二十番歌

【原文】わびぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ

元良親王

【現代かなづかい】

わびぬれば いまはたおなじ なにわなる みをつくしても あわんとぞおもう

百人一首 十九番歌

【原文】難波潟 短き葦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや

伊勢

【現代かなづかい】

なにわがた みじかきあしの ふしのまも あわでこのよを すぐしてよとや

百人一首 十八番歌

【原文】

住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ

藤原敏行朝臣

【現代かなづかい】

すみのえの きしによるなみ よるさえや ゆめのかよいじ ひとめよくらん

百人一首 十七番歌

【原文】

ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは

在原業平朝臣

【現代かなづかい】

ちはやぶる かみよもきかず たつたがわ からくれないに みずくくるとは

百人一首 十六番歌

【原文】

たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む

中納言行平

【現代かなづかい】

たちわかれ いなばのやまの みねにおうる まつとしきかば いまかえりこん